特定受給資格者と特定理由離職者

会社都合による退職は、有利な点が多いとのことは、前回も書きました。

再就職の準備をする時間的余裕なく辞めさせられたから、時間も余計にかかるだろうということで、自己都合で辞めた人よりも優遇されているのですね。

 

失業給付(雇用保険)は、人によって違うということは、みなさんもよくご存知でしょう。辞めた日における年齢だとか、雇用保険に入っていた期間だとか、離職の理由などによって決定されるのです。90日~360日の間で決められています。360日というのは、かなり手厚いですよね。これに該当する方は、就職困難者(主に障害者)で、45歳以上65歳未満の方です。

 

会社都合ということには、特定受給資格者と特定理由離職者があります。

特定受給資格者とは

特定受給資格者とは、この前も書いたように、解雇や倒産などで、辞めざるを得ない人のことをいいます。

主に、倒産等による離職と、解雇等による離職の2パターンに分けられます。

 

解雇等の場合は、必ず、「自己の責に帰すべき重大な理由によるものを除く」という文言が入ります。自分で、悪いことをしておいて、解雇になったら、仕方ないということです。

倒産等による離職について、主なものを以前書きました。事業所が移転して、だいたい通勤往復4時間以上かかる場所に移った場合なども入る、ということです。

ここで、もう一度、解雇等による離職について、いくつかあげてみます。これに該当したら、会社都合による離職のほうが、手厚いのですから、ぜひとも、ハローワークに言ってみてください。認定は、会社がするのではなく、ハローワークのほうなのですから。

主な事例(これだけではありませんが)。

 

・退職手当を除く賃金の額の3分の1を超える額が支払期日(給料日)までに支払われなかった月が引き続き2か月以上となったことなどで辞めた人

・賃金が、 今まで支払われていた賃金に比べて85%未満に低下したため(見込まれる場合も含む)に辞めた人(これは、辞める直前6ヶ月以内とされていますので、賃金ダウンしてから6ヶ月以内に辞めた人が該当します。また、低下の事実について予見し得なかった場合に限る、とされています)

・ 離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した人

・期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至ったのに、この労働契約が更新されないことになったということで辞めた人

これらに該当する人は、「自己都合」にしないで、会社都合で辞めたということをハローワークに申し出てください。中には、会社側と食い違いをみせる人も出てくるかもしれませんが、証拠を集めて(辞める前に集めておきましょう)おいて、ハローワークに申し出てください。

 

特定理由離職者とは

上記の特定受給資格者以外の人であることが、大前提です。それ以外の人で、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により辞めた人ということになっています。

その他やむを得ない理由とは、何でしょう。これは、特定理由離職者の範囲の2と、呼ばれる人です。

 

ハローワークのページには、

(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
(2) 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者
(3) 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の介護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者
(4) 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者
(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
(a) 結婚に伴う住所の変更
(b) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼
(c) 事業所の通勤困難な地への移転
(d) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
(e) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
(f) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
(g) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避

と書かれています。

 

注意点!
特定理由離職者になる人は、離職の日が平成21年3月31日から平成26年29年3月31日までの間にある方に限ってのことです。給付日数が優遇される特定受給資格者と同様になるのは、平成21年3月31日から平成26年29年3月31日までの間の離職の人ということなのです。そして、さらに、上記の「特定理由離職者の範囲」の2に該当する方は、被保険者期間が12か月以上(離職前2年間)ない場合に限って、特定受給資格者と同じになります。
自分が該当するか、よくわからない人は、ハローワークで個別に相談してみてください。有利に辞めたい方は、辞めるにハローワークに確認し、どんな証拠が必要なのか、聞いておくのが一番です。
【追記】平成26年1月31日に、国会に特定理由離職者の暫定措置をさらに3年間延長するという改正法案が提出されています。それが決まれば、平成25年度(平成26年3月31日まで)までとされていた特定理由離職者の暫定措置が、3年延長されます。

【追記の追記】平成26年3月31日公布で、3年の延長が国会で決まりました。

【更に追記】
平成29年3月31日までが期限だった暫定措置ですが、平成34年3月31日まで延長となりました。

なお、今回の暫定措置の延長では、今までの暫定措置の修正がされています。特定理由離職者を特定受給資格者と「みなす」ことで所定給付日数を増やす規定に関しては、対象となる範囲が「本人の意思に反して雇い止めされた者」のみに変わっています。