新設される教育訓練給付金についてー専門実践教育訓練給付金と教育訓練支援給付金を中心に

前回の記事で、概略のみ書きましたが、このたび、平成26年10月1日から始まる、専門実践教育訓練のための給付金を再度、詳しく書いてみたいと思います。
前回のブログ
45歳未満の離職者に、受講中の生活を支援する「教育訓練支援給付金」も創設

 

教育訓練給付金の拡充及び教育訓練支援給付金の創設として、政府広報オンラインにも登場し、説明がなされました。

政府広報オンラインも参考に、どうぞ。
教育訓練給付金の拡充と教育訓練支援給付金の創設で あなたのキャリアアップを支援します

専門実践教育訓練給付金

まずは、専門実践教育訓練としての教育訓練給付金の制度から。今回は、前回の概略と違い、少し細かい部分も書きますので、長文になります(手っ取り早く知るのは、前回のブログのほうがいいかもしれません)。

 

専門実践教育訓練では、専門学校の職業実践専門課程、専門職大学院、さらには資格の取得を訓練目標にする講座など、中長期的なキャリア形成を支援する講座を厚生労働大臣が指定しています。

これについては、先日も追加の発表がありました。
平成26年9月24日、厚生労働省の発表☆出典:厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000058670.html
専門実践教育訓練の指定講座(追加指定分)を公表

全体的には、こちらもご覧ください。来年4月開講のものは、もっと増える予定だそうです。
☆出典:厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/career_formation/kyouiku/index.html
教育訓練給付制度について

これらの専門実践教育訓練を修了する見込みで受講している人、修了した人に支給されます。

 

(1)専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の一般被保険者の人のうち、支給要件期間が10年以上ある人
(2)専門実践教育訓練の受講開始日に一般被保険者でない、すなわち離職した人のうち、離職日の翌日から受講開始日まで1年以内の人(適用対象期間の延長を行われた場合は、最大4年以内)かつ、支給要件期間が10年以上ある人

 

(1)または、(2)に該当する人、となります。ただし、当分の間、初めて教育訓練給付の支給を受けようとする人については、支給要件期間は2年でいいことになっています(平成26年10月1日前に旧制度の教育訓練給付金を受給した場合で、初めて専門実践教育訓練を受給しようとする場合は2年となりますが、平成26年10月1日以降に旧制度の教育訓練給付金又は一般教育訓練給付金の支給を受けた場合は10年以上となります)。

 

なお65歳以上の方は気をつけるべきことがあります。雇用保険は、65歳の誕生日の前日に一般被保険者ではなくなります。高年齢継続被保険者に切り替わりますので、注意下さい。あくまでもこの対象者は、一般被保険者です。このことから、受講開始日が66歳の誕生日の前日以降にある場合は、支給対象にならないということになります。

 

また、何度でも給付金がもらえるということではなく、過去の教育訓練給付金を受給したことがある場合、その時の受講開始日より前の被保険者期間は、通算しないので、10年以上たたないと次の受給資格が得られないことになります。前回の教育訓練給付金受給からその次の受給まで10年以上間を置かないといけないということです(ただし、平成26年10月1日前に教育訓練給付金を受給した場合は、この取り扱いはなしとなっています)。

 

支給額は、専門実践教育訓練の受講中は、教育訓練経費の40%を支給(ただし、4,000円以上、3年間最大96万円まで。期間が1年の場合は最大32万円、2年の場合は、最大64万円)

さらに、専門実践教育訓練の修了後、「資格取得等をして、なおかつ、修了した日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合又は既に雇用されている場合は、20%追加給付され、教育訓練経費の60%を支給(ただし、4,000円以上、3年間最大144万円まで。期間が1年の場合は最大48万円、2年の場合は最大96万円)となります。なお、この追加給付は、すでに支給された40%の給付金の差額支給ということで、全体合計で60%ということです。40+60%ではありませんので、お間違えなく。

 

手続きは、訓練対応キャリア・コンサルタントの訓練前キャリア・コンサルティングを受けて、ジョブ・カードの交付を受けた後、「教育訓練給付金および教育訓練支援給付金受給資格確認票」とジョブ・カードをハローワークに提出することが必要になります。ただし、在職者の場合は、訓練前キャリア・コンサルティングを受けず、勤務先である雇用保険適用事業所の事業主による専門実践教育訓練を受講することを承認したという証明書類を提出することも可能となっています(勤務先の総務部など雇用保険の担当者によく聞いてみてください)。

この手続きは、受講開始日の1ヶ月前までに行う必要があるとのことですので、注意が必要です(原則、本人の住所を管轄するハローワークにて)。

 

受講中も、給付金の申請を半年ごとに行い、その都度、講座の実施機関が発行する受講証明書など提出しなければならない書類があります。

このように手続きが複雑なので、前もってハローワークに問い合わせをしたほうがいいでしょう。受講前手続きも1ヶ月前までにしないといけないので、時期に余裕をもって、自分が本当に該当者なのかも含め、申請手続きを確認してから手続きを行ってください。

参考:厚生労働省のリーフレット 教育訓練給付の対象講座を受講希望の皆さまへ
☆出典:厚生労働省のホームページhttp://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000059810.pdf
 

専門実践教育訓練の「教育訓練支援給付金」

これは、専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」を受けられる人のなかで、昼間通学制の専門実践教育訓練を受講など条件を満たした人が、失業状態の場合に、教育訓練をさらに「支援」するものです。

 

1,一般被保険者でなくなってから1年以内に専門実践教育訓練を開始する方(辞めてから1年以内に開始)
2,専門実践教育訓練を修了する見込みがあること(途中でやめるとそれ以降支給されない)
3,専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること
4,受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと(昼間通学制ということ)
5,受給資格確認時において離職していること(失業状態)。また、その後短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと
6,会社役員、自治体の長に就任していないこと
7,教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年10月1日以前に受けたことがある場合は例外あり)
8,専門実践教育訓練の受講開始日が平成31年3月31日以前であること(今回の「支援」は、暫定措置のため)

など、条件がありますので、ハローワークに確認してみてください。

 

離職前の賃金に基づく雇用保険の基本手当の50%が、「教育訓練給付金」とは別に、受講期間中、支給されますが、失業給付との重複受給はできないことになっています。これが前回、書いた雇用保険をうけられる期間は受給できないという部分です。

それでも、雇用保険の失業給付が切れた後にも、専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」(最大で144万円)+専門実践教育訓練の「教育訓練支援給付金」をもらえるということになります。専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」を受けることができる人、という大前提を満たさないといけませんが。

 

専門家のキャリア・コンサルティングを受けたうえで、受講前にハローワークで手続きをしなければならないなど、手続きが面倒であること、そして、かなり厳しい要件があることにも注意が必要です。休学したり、途中で辞めたり、一定の成績を取らないと(専門職大学院では単位習得の程度もありますから)、訓練機関からの証明書が発行されないことになります。2か月間の出席率が8割未満になった場合、以後の教育訓練支援給付金は支給されなくなります。

 

教育訓練支援給付金を受けるには、原則として2か月に1回の教育訓練支援給付金の認定日に、失業の認定を受ける必要があります。
また、雇用保険の基本手当受給中の人は、失業の認定日が、教育訓練講座の受講日と重なった場合でも、受講日の変更が困難な場合以外は、他の日に変更されないという点にも注意してください。

 

再度ですが、教育訓練給付制度を一度利用すると、次回の利用まで雇用保険の加入期間が再度、支給要件期間を満たすまで待たなければなりません。特に、専門実践教育訓練の教育訓練給付金の場合、10年以上が必要となります。受講する講座等は、よく検討して中身を吟味してから決めてください。

 

一般の教育訓練給付金は、専門実践よりは厳しくないけれど

最後に一般の教育訓練給付金について少しだけ書きます。

これは、一定の条件(支給要件期間が3年以上など)を満たす雇用保険の一般被保険者(会社に在職中ということ)、または一般被保険者であった方(離職者のこと。離職後1年以内で雇用保険に3年以上加入していた人)が、厚生労働大臣指定の一般教育訓練を受講し、修了した場合、本人が支払った教育訓練経費の20%(上限10万円)をハローワークから支給する制度です。

当分の間、平成26年10月1日以降、初めて教育訓練給付金の支給を受けようとする方については、支給要件期間が1年以上であれば可能となります。

 

対象となるのは、厚生労働大臣が指定している講座になります。情報処理技術者資格、介護支援専門員、ファイナンシャルプランナーの資格のための講座や簿記検定の講座など幅広い内容の講座があるようです。

厚生労働大臣指定教育訓練講座は、教育訓練給付制度で探せます厚生労働省ホームページ(http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/T_K_kouza)。こちらで、希望するものを検索してみてください。

 

上記と同じく、一般教育訓練給付金も支給要件期間があること(3年以上)が必要です。一度利用すると、再度、支給要件期間を満たすまで、利用できなくなりますので、じっくり選んでから決めるといいでしょう。こちらも、あらかじめ、ハローワークに手続き方法を聞いておくといいですね。