2002~2013年の失職者で、1年以内に再就職した者の割合は半数以下

平成27年3月5日 厚生労働省のお知らせで、「OECD失職者レビュー日本報告書の公表について」がありました。

 

OECD失職者レビュー日本報告書の公表について
出典:厚生労働省のページ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076065.html

 

これは、経済協力開発機構、OECDが、「失職者プロジェクト」として、2011年から行っているプロジェクトだそうです。

景気悪化等により離職を余儀なくされた者(失職者)が直面する長期失業や所得減少、不本意な条件での再就職のリスクについて調査分析を行い、失職者を支援するための主要な積極的労働市場政策を特定するとともに、その妥当性や効果を評価する取組を実施している

とのことです。

 

日本の状況はOECD諸国のなかでは、まだ良かった方ですが、いわゆるリーマン・ショックの頃は、やはり失職率が高かったとのことです。

 

この報告書によると、
「高齢者や教育水準の低い者、小規模企業、非正規労働者等で失職のリスクは高い」となっていました。そして、「高齢者や女性、教育水準の低い者の再就職率は低い」という結果が出ていました。

どうしても高齢者で失職すると、再就職が難しくなるようです。

失職者のうち1年以内に再就職した者の割合は半数以下の48%にどどまっています(2002~2013年の統計で)。

 

最近の報道では、非正規雇用が増えていると聞きますが、失職して再就職できても「再就職の際に賃金水準の大幅低下や非正規雇用となることも多い」ということです。

これでは、雇用の流動化の足かせになりそうですね。

まだ、公表している国は、少ないようですが、各国のレビューがまとまった後、国際比較を踏まえた総合報告書がまとめられる予定となっているそうです。

やはり、このような結果は、他の国との比較が必要です。

 

日本の失職者対策の現状の欄には、「2013 年の日本再興戦略で、行きすぎた雇用維持から、労働者の安定への影響を最小限に抑えながら労働移動を高める政策にシフトしたことは歓迎すべき。雇用調整助成金や労働移動支援の奨励金の効果について注意深く見守る必要がある」との記述がありました。

 

雇用調整助成金については、効果があったのかどうか、よくよく検討していただきたいですね。失職の予防にはなったと、思いますが。

 

また、行き過ぎた雇用維持ですと、雇用の硬直化となりますから、調査報告書には、「労働移動を高める政策にシフトしたことは歓迎すべき」こととされていました。確かに、時代によって、人手不足となる業界もありますからね(今も、ホテル、旅館業、飲食関係業などが人手不足だと聞いています)。ただ、これに対しては、いろいろな考えの人もいることでしょう。

 

OECDの主要提言と厚生労働省の見解・対策の状況も、対比してみることができるようになっていました(ちょっと読みづらい形式になっていて、もっと表などを活用してほしかったですが)。提言に対しては、日本の特性を活かしながら、対応していただきたいですね。特に、女性や非正規労働者の対策を進めてほしいなと、個人的には思います。