労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会の資料を読んで

雇用保険には、いろいろな給付がありまして、基本手当をいただくだけが雇用保険の給付ではないのです。

 

以前にも全体像として、雇用保険から出ているさまざまな給付をご紹介しました。
雇用保険のさまざまな給付と、雇用保険の対象者について

 

このなかで、就職促進給付として、移転費と、広域求職活動費があります。わかりやすく言えば、引越し代と、交通費ということです。

しかし、ハローワークでみてもあまり活用されていないのではないかな、という印象がありました。

 

そうしましたら、先日、平成27年9月25日に厚生労働省のページに、職業安定分科会雇用保険部会審議会の資料がアップされていて、その中の資料に統計がありました。

 

厚生労働省のページ
職業安定分科会雇用保険部会審議会資料

この資料の1番にありますように、移転費と広域求職活動費というものがあります。

 

移転費とは、公共職業安定所の紹介した職業に就くため(公共職業訓練等も含む)、住所又は居所を変更する必要がある場合に支給されるもので、受給資格者本人とその家族の移転に要する費用がそれにあたります。

簡略化していえば、引越し代です。

 

通勤時間が往復4時間以上になるなど、公共職業安定所が住所又は居所の変更が必要と認める場合というような条件はいくつかあります。

 

Uターン就職などが想定されているようですが、それだけでもないようです。資料の活用例を見ますと、日本酒製造の仕事を希望して福岡から静岡へ移転したという例がありました。

 

ハローワークで仕事を探すとなると、自分の家があってそこからの通勤圏内で探すというイメージがどうしてもあります。しかし、このような「特別な職」に就きたいから、という例もあるのですね。

 

それと、もうひとつの広域求職活動費ですが、これは公共職業安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動(広域求職活動)をする場合に支給されるものです。交通費及び宿泊料が支給されることになっています。鉄道で往復300㎞以上ある場合です(宿泊費は、更に遠く、400km以上あることが必要)。

 

簡単にいえば、交通費(場合によっては宿泊費も)ですね。広域ですから、交通費もばかにできません。

 

Uターン就職をねらう人には活用されてもいいのではないかと思いますが、平成26年の実績をみてみますと、

移転費の受給者数は、396人。そして広域求職活動費の受給者数は、なんと、73人だけです。

 

全国で、これしかいないのでは、「活用」ということでは、もったいないかぎりです。

要件をもっと緩めるか、もっとPRして活用してもらうようにするか、いずれにしても、このままでいいとは思いません。

 

改善が必要ですよね。それでなければ、いっそのこと、やめてしまうか。しかし、それもなんだかもったいないですよね。

 

もしかしたら、知らない人も多いのではないでしょうか。それか、Uターン就職をしたが、要件にあてはまらなかったか。

最近、ブロガーの方など、働く場所が限定されていない人が地方へ移住した、もしくは、検討しているという例を見かけるようになりましたが、そのような場合に活用できないのかな、と思った次第です。

 

あまりに東京に一極集中となるよりも、地方で働く場を見つけた人が活用できるようになればいいと思うのです。どちらにせよ、このような実績をみますと、改善が必要でしょうね。

 

この他にも高齢者雇用の調査など、上記の審議会の資料は興味深いものですので、関心のある方は、ダウンロードしてご覧になってみてください。