雇用保険に関する改正法案が平成28年の通常国会に提出へ

まだ、国会への法案提出に向け、法案要綱を作成する最中とのことですので、まだ決まったわけではないのですが(国会でも審議するので変わる可能性もありますが)、雇用保険に関しては、おそらく大筋でこのようになるだろう、ということで厚労省で行われていた審議会であがっていたものをピックアップしました。

 

今までも書いてきたことですが、基本的な方針としては、人口減少になっている日本で、より多くの人が働くことで市場の規模を維持していきたいという表れだと思います。

移民を受け入れるというのもひとつでしょうが、高齢者に働き続けてもらう、女性に働いてもらう、介護で離職することなく、働き続けてもらうということを積み重ねることで、労働人口を維持していくということです。

 

そして、また年金財政の面からも高齢者には就業をしてもらいやすい環境を整えるということでしょう。失業給付をもらって引退する道を選ぶよりは、長く働き続けてもらえるような環境つくりです。

 

以下、まだ改正案の段階ですが、その大枠をご紹介しましょう。

その1
現在は、65歳前から勤めていた会社を継続していた場合だけ、雇用保険に加入し続けたのですが、それを65歳以上でも新たに雇用される人も雇用保険の適用とすることにしました。今までは、65歳以降、勤め先が変わると雇用保険から外れていたのです。

そしてその免除になっていた雇用保険料は(4月1日現在で、64歳以上の人に対しては雇用保険料は免除)、当面の間、免除となっています。今までどおりということですね。ただし、当面ということです。「一定の経過措置」で免除となっていますので、いずれ、労使は雇用保険料を払うことになるのでしょう。

65歳以上の方を雇入れるのは、中小企業がほとんどでしょうから、新たに65歳以上の人を雇用する場合の雇入れ助成についても活用を図る予定です。

 

その2
離職を防ぎ、就職を促進ということが基本的な方針ですから、「就職促進給付」を拡充ということになりました。

いつまでも失業給付を受けるより、再就職してもらうよう、早期に再就職した場合に支給される再就職手当の給付率が引き上げられます。

また、広域求職活動費、主に交通費ですが、距離をもっと短い場合でも出るようにしたこと(これは、UターンやIターン就職を促進する狙いもあるようです)、さらに求職活動に伴う費用も給付対象にすることとなっています。これには、子の一時預かり費用、短期の資格講習等に要する費用もあがっていました。

 

その3
介護休業給付の給付率を育児休業給付と同じく67%に引き上げることです。

介護休業給付については、3回まで分割して取れるようにするという制度改正も行われる予定です。

 

その4
雇用保険料の保険料率を引き下げること。現在の1%から引き下げ、0.8%にすることです。

これは、現在人手不足が言われるように雇用情勢が改善して、雇用保険の基本手当を受ける人が減少しています。雇用保険の積立金が過去最大(平成26年度末の積立金残高、6兆2586億円)となっていることからも、引き下げられるだろうと言われてました。

 

詳しいことは、厚生労働省のページに載っていますので、ご覧ください。

平成27年12月25日付厚生労働省のページより

労働政策審議会 職業安定分科会雇用保険部会報告
「平成28年通常国会への法案提出に向け、法案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定」

1. 雇用保険の適用拡大
2.就職促進給付の拡充
3. 介護休業給付等の見直し
4. 失業等給付に係る保険料率の見直し