人手不足の業界は増えている

政府の調査結果ではなく、民間企業の推計ですが、かなり興味深いレポートがあったので、私の感想を交えながらご紹介します。推計の数字の羅列だけでなく、イラストもあってとてもわかりやすいものです。

 

出典:インテリジェンスHITO総合研究所 「労働市場の未来推計」(2016年)
労働市場の未来推計2016 | インテリジェンスHITO総合研究所

インテリジェンスHITO総合研究所が「労働市場の未来推計」を発表 2025年の労働力は583万人不足すると推計 

 

テンプグループの株式会社インテリジェンスHITO総合研究所が出したものです。

このブログでは、何回か人手不足の業界はこのような業界だということを調査結果を元にしたものをご紹介してきました。

 

今回の推計調査は、今までとは少し違うそうです。

経済成長予測から算出した需要としての就業者数と、将来人口推計を元にした供給としての就業者数を比較し、そのギャップを算出しているのが特徴です。

 

これまでの調査結果は将来の就業者予測だけとなっているのもが多数でしたが、「2015年の経済成長率0.8%を2025年まで維持するために必要な就業者数の推計と、人口減少トレンドに伴う就業者数推計のギャップ」を算出しているということですね。

 

そこから2025年時点の労働力の不足は583万人という結果だそうですよ。

かなりの人手不足です。これでは、一億総活躍社会でないと、人手不足により経済成長もままならないことになってしまいますね。

 

どんな業界が厳しい不足なのだろうとみましたら、産業別トップ3は、

「情報通信・サービス業」(-482万人)、「卸売・小売業」(-188万人)、「農林水産業・鉱業」(-57万人)

となっていました。

IT産業がトップですね。これは以前にも書いたことがありますが、この推計でも2025年も人手不足のままのようです。

 

それに対して、人手が余るのは、「政府サービス等」だそうです。今までの調査では、人手不足の業界ばかりクローズアップされていましたが、人手が余る業界のことは盲点でした。

 

マイナンバーも始まったことですし、ますます政府関係の仕事は減らしていかないといけないでしょう。しかし、効率的な仕事でないと、改善されないままとなります。

人手不足の解決策は?

では、人手不足を解決するにはどうしたらいいのか。今から人口増加を目指しても間に合わないでしょう。一億総活躍社会でも言われているように、女性が働きやすい社会にすることや、高齢者の活用がカギとなるだろうなと思いました。

 

今回の推計では、「女性の労働参加促進、シニア層の労働参加促進、外国人の労働参加促進、そして生産性の向上の4つ」を取り上げたとのことです。

 

女性とシニア層はよく言われますが、移民とまでいかなくても、外国人労働者をもっと受け入れることも考えるべきなのですね。あと、肝心なのが、生産性の向上ですね。これも無視できない数値です。

 

ダラダラ仕事をして、会議ばかり多く(打ち合わせと称するものも含め)、さらに昼間はネットを見まくって、夕方から残業と称して仕事をするようなところでは時間ばかりかかって生産性もなにもありません。これからは人工知能を活用して、単純な機械化だけでなく、人でなくてもできるものは任せていくことも生産性アップに必要となるでしょう。

 

女性の労働参加をスウェーデン並みまで高めること、65~69歳の労働参加を男女それぞれ60~64歳と同等の81.1%、66.6%まで引き上げること、労働力人口に占める外国人の割合を2015年の2倍である2.8%まで引き上げること、現在年率平均0.9%伸びている労働時間1時間あたりの実質GDPを年率1.2%に伸ばすこと。この4つが組み合わされば人手不足をおおよそ解消できる推計結果になりました。

これら4つが可能になれば、ほぼ人手不足が解消されるではないですか。

 

女性の労働参加も考えないといけないですが、スウェーデン並みは、けっこうハードルが高そうです。それには、子育てと両立できる環境にしないといけませんし、男性も長時間労働が当然ではなく、子育て参加が可能な社会になれば両立しやすくなりますから、それには効率よく仕事をする、生産性を高めるという両輪でやる必要があるでしょう。

 

それとともに、専業主婦でいることが有利と思われている3号被保険者の問題や、わざわざ仕事を減らすようにさせる、パートさんの社会保険適用の問題、いわゆる130万円の壁の廃止、なども検討すべきでしょう。

専業主婦の世帯がモデルとなっている設計から変える必要があることがわかります。今回の「労働市場の未来推計」(2016年)は、とても参考になる発表でした。