平成28年4月に引き下げられた雇用保険料がまた引き下げを検討へと

雇用保険料については、今までブログに書きましたように、今年、すなわち平成28年4月から引き下げられています。雇用状況が改善し、それだけ雇用保険財政が良くなってきたからですね。雇用保険料の料率が、過去最低水準まで下がったと聞いた時は、しばらくは、このままでいくものと思い込んでいました。

4月に決まった時に書いたブログ
平成28年度の雇用保険料が国会で決まり、引き下げに
 

しかし、4月から間もない、こんな短期間でさらに引き下げを検討するとは、やはり世の中の人手不足はかなりのものになっているのでしょうか。事実、失業率も減っています。リーマン・ショックの頃と比べると雲泥の差ですよね。あの頃は、なんとか雇用を維持するのに精一杯で、政府も後押しをしていました。

 

この4月に引き下げになった時は、雇用保険の積立金が過去最高となったためと、言うなれば、使わないお金が増えたということで、引き下げになりました。

 

今回は、そのようなことも含まれているのでしょうが、政府の経済政策のひとつとして、労働者の負担を軽くするという目的もあるそうです。

さらには、育児休業給付金の支給期間も延ばす予定とのことです。

 

しかし、これらは正社員でお勤めの人が主に恩恵を受けることですよね。前の引き下げの時にも、雇用保険料は健康保険料や厚生年金保険料に比べてそれほど負担でないので、なるべく正社員になれない人のために使って欲しい、という声や、雇用保険自体が使えない人のためにも使って欲しいという声も聞きました。

 

育児休業の給付金も、正社員でも会社によっては取りにくいところもあると聞きますし、それが派遣社員だとか、パート、アルバイトとなると、たとえ、雇用保険の保険料を払っている人でも、「パートでは育児休業までは取れないよー」、ということもあるかと思います。

 

もちろん、そのような会社の社風や育児休業を取れないということが問題なのですが、雇用保険料の引き下げとともに、実効性のあるものにしていくことも重要でしょうね。

 

また、正社員の方でも、育児休業の期間が延長となって仮に2年育児休業を取れたとしても、それだけ仕事上はブランクになるから、今のような世の中の動きが早い時に、仕事に関する情報に追いついていけるか心配だという声もネット上で見かけました。期間を延ばしたとしても、実際には、育児休業を切り上げざるを得ない人も出てくるのではないか、という声もありました。

せっかくの制度があっても絵に描いた餅になってしまわないように検討を重ねてほしいですね。

 

2016年7月17日付、朝日新聞記事より引用

雇用保険料、引き下げへ 政府検討、育休給付金の拡充も:朝日新聞デジタル

 

働き手が失業した時の失業給付のために労使で積み立てる雇用保険料が、引き下げられる方向になった。政府が経済対策の一環として検討しているもので、働き手と企業の負担を軽くする。雇用保険で賄われている育児休業時の給付金の支給期間も延ばす方向だ。

雇用保険料は労使折半で負担する。今年4月には、賃金の1・0%から0・8%へ過去最低水準に下げられたばかり。引き下げは4年ぶりだった。今回実現すれば短期間でさらに下げられることになる。

5月の失業率は3・2%と改善が続き、失業給付を受ける人は減っている。雇用保険の積立金は6兆円と余裕があり、政府はさらなる料率引き下げが可能と判断したとみられる。

引き下げ幅は年末までに詰める。料率が0・2%分(労使で0・1%分ずつ)下がって0・6%となった場合、年収400万円の人の保険料負担は年1万2千円ほどになり、従来より4千円ほど少なくなる。

政府は雇用保険の積立金が財源の育児休業時の給付金も拡充する方針。受給できる育休の期間を、最長で1年半から、2年にのばすことを検討している。

こうした措置は働き手の負担軽減になるが、景気が悪化すれば失業給付の受給者が増え、雇用保険の積立金は目減りする。短期間での相次ぐ料率引き下げは、雇用保険の収支を不安定にする懸念もある。

 

マスコミによっては、雇用保険料は半減されるかもという報道もあったようですが、その後の報道では、どうも下げ幅は0.2ポイント程度に抑えられそうです。ただ、実際の引き下げ幅はこれからの議論しだい、ということです。来年には国会でも審議されることでしょう。

2016年7月22日付、読売新聞記事より

雇用保険料率0・6%に引き下げへ…政府調整 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)