雇用保険の対象ではない人にも制度が

このサイトでは、主に雇用保険に加入している人のための、いわゆる「失業保険」について書いています。しかし、世の中で働いている人は、みながみな、雇用保険に入っているわけではありません。

 

雇用保険には入れないような短時間だけの勤務の人、そもそも自営業には雇用保険がありません。

 

しかし、そのような雇用保険に入れなかった人たち、例えば、自営業を廃業してしまったなどの人たちには、まったく支援がないのでしょうか。

条件を満たす場合は、支援制度があります。それが求職者支援制度です。

 

求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者の方が職業訓練によるスキルアップを通じて早期の就職を目指すための制度です

出所:厚生労働省
求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

 

例としては、雇用保険適用とはならなかった人、加入期間が足りないために雇用保険の給付を受けられなかったような人、雇用保険の受給が終了した方、高校や大学を卒業したけれど就職できないままの人、そして自営業を廃業した人などです。

ほぼ無料で、求職者支援制度の求職者支援訓練を受講できます(テキスト代など自己負担あり)。

手に職をつけるといいますか、技術を学ぶ、スキルアップを目指せるのです。お住まいの地域を管轄するハローワークに相談です。

 

求職者支援訓練

専修・各種学校、教育訓練企業、NPO法人、社会福祉法人などの民間訓練機関が、厚生労働大臣の認定を受けて実施する職業訓練です。

 

まずはハローワークへ求職申込みを済したうえで、適切な訓練コースを選択するためのキャリア・コンサルティング(職業相談)を経てから訓練受講のための支援指示を受けます。

 

もちろん、職業に就く気がないような人では困るので、積極的に就職活動をしている人が対象になっています。

以下、厚生労働省の審議会資料もみながら、書いていきたいと思います。
職業安定分科会雇用保険部会審議会資料 |厚生労働省

求職者支援制度の訓練は、多くの職種に使えるように基礎的な技術や能力の取得を目指す「基礎コース」と、基礎的技能と実践的な技能や知識を習得するための職業訓練である「実践コース」があります。期間としては、今まで3ヶ月から6ヶ月だったものが、平成28年10月から、基礎コースが2ヶ月から4ヶ月、実践コースが3ヶ月から6ヶ月までとなりました。

時間は、1ヶ月につき、100時間以上ということです。また、平成28年10月より、育児中の者に対する求職者支援訓練は、1日4時間以上の訓練を設定できることになりました。

平成27年度の受講者数は合計40,588人で、基礎コースと実践コースの割合は、おおよそ3:7だったそうです。
受講生の7割以上が女性とのこと。年齢層は、20歳~49歳までは満遍なくいるとのことです。

受講者数は、介護福祉、営業・販売・事務が多く、就職率は、介護福祉が72.1%で最も高くなっているとのことでした。IT、医療事務、デザインはそれぞれ受講する人の年齢層が、20~29歳が約4割ということなので、若い人に人気のようです。

 

職業訓練受講給付金

求職者支援制度は、言うならば「職業訓練」+「ハローワークの就職支援」がセットになっています。訓練期間中も訓練終了後も、ハローワークが積極的に就職支援を行うこと、となっています。

 

支援の対象となる人を「特定求職者」と呼びまして、
1 ハローワークに求職の申込みをしていること
2 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
3 労働の意思と能力があること
4 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
これらすべてに該当する人となります。

ただし、特定求職者ではない人の例示があります。

在職中の人(週所定労働時間が 20 時間以上の人となっていますから、雇用保険に加入中の人ですね)、短時間就労や短期就労のみを希望する人(短時間だけのアルバイトでいいと思っている人)老齢年金の受給者の方などは、原則として対象になりません。

 

さらに、一定要件を満たせば、訓練期間中月10万円の「職業訓練受講給付金」を受給できるようになっています。

また、特定求職者だということだけでは、職業訓練受講給付金は受給できないので、注意が必要です。(さらに、別途、職業訓練受講給付金の支給要件を満たす必要あり)。

 

また、特定求職者が、後になって雇用保険被保険者、雇用保険受給者、すなわち雇用保険に加入した、失業給付を受けるとなるなどして、上記要件を満たさなくなった場合も受給できなくなります。

給付金の受給者は、各年齢いるとのことなのですが、25歳~29歳の割合が最も高いということで若い人に活用されている模様です。

 

では、その別途、職業訓練受講給付金の支給要件があるという、その要件をみますと、

1 収入が月8万円以下
2 世帯全体の収入が月 25万円以下
3 世帯全体の金融資産が 300万円以下
4 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
5 訓練の全ての訓練実施日に出席して受講している
(やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる各訓練期間の8割以上出席している)
6 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
7 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、失業給付などの特定の給付金の支給を受けたことがない(不正受給のこと)

となっていますので、給付金を受給するには、けっこうハードルが高いです。

平成24年度以降の不支給決定は全体の4.2%だったそうです。その不支給決定の理由は、「訓練の欠席」が最も多く(ダントツにこれが多く、出席要件のクリアが大事)、次に世帯の収入要件でダメだったとのことでした。

訓練の欠席も別にサボっているというよりも子どもの急な病気、インフルエンザになったなどで仕方がない事情で休むこともあるようです。もちろん、本人が急病になることもありえます。

実は、上記の要件にも細かい決まりがありますので、ハローワークで個別に確認が必要です。

実際、事実上母子家庭のシングルマザーだけど、収入の関係上両親と同居をせざるを得ない場合がありますが、この場合、同居の親族の収入も加味されての収入となるので、申請対象外となるなど、運用上の問題もあるようです。特に、都市部でしたら、一人暮らしが多いでしょうが、地方は家族との同居が多いという現状があります。

支援の必要性がある人に届いていないという面がまだありそうです。
 

職業訓練受講手当は、月額10万円、それにプラス「通所手当」が付きます。職業訓練実施機関の施設までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり)、すなわち、交通費手当、ということです。

平成28年10月より寄宿手当が新設され、特定求職者が認定職業訓練を受けるため、同居の配偶者と別居して寄宿する場合に、月額10,700円を支給するようになりました。

 

職業訓練受講給付金の受給には、まずは、「特定求職者」に該当するかどうかをみて、それに該当したうえで、「職業訓練受講給付金」の対象者になれるかどうかをみていくことになります。不正受給の場合は、いわゆる3倍返し、不正受給額を返したうえでのペナルティがあるそうです。

就職支援が最終目的ですから、定期的にハローワークにきてもらい、必要に応じて担当制で支援をおこなうことになっています。


 
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