雇用保険の概要を知る

今までもいわゆる失業保険、雇用保険について書いてきました。しかし、記事がバラバラになっているので、あっちをみたり、こっちをみたりとなってしまっていました。

一回、まとめて書いてみたいと思いまして、簡単なまとめを書きました。

詳しくは個別記事を読んでもらうとして、ほんとうに大雑把な概略となりますが、まとめたいと思います。  

これを読んでいただくと、いかに雇用保険の給付は広いものなのか、このような給付も行っているのかと再確認できるでしょう。  

まず、雇用保険には、大きく分けて失業等給付と雇用保険二事業というものがあります。二事業については、保険料は事業主負担のみなので、みなさんは払わなくてもいいのです。

雇用保険の失業等給付のほうに関しては、労使折半なので、半分払っているということです。   雇用保険が適用される事業所は一部を除き、労働者が雇用される事業所はすべて強制適用事業です。  

ただ、その適用事業に雇用されいる人でも、適用除外というものがあります。一週間の勤務時間が短時間勤務の人などですね。

除外される人は

1,1週間の所定労働時間が20時間未満

2,継続して31日以上雇用されることの見込みがない場合

3,季節的に雇用される人で、4ヶ月以内の期間を定めて雇用される人、または、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の人

4,65歳に達した日以後に雇用される人(ただし、平成29年1月1日以降は、改正があって、雇用保険の適用になります)

5,日雇労働者であって、適用区域に居住し、適用事業に雇用されるなどの要件に該当していない人

6,国、都道府県、市町村等で働く人

7,昼間部の学生 ここでは雇用保険ニ事業については省略します。  

失業等給付

失業等給付の中には、いくつかの給付に分かれます。

1,求職者給付

2,就職促進給付

3,教育訓練給付

4,雇用継続給付

この中で、一番知られているのが1,求職者給付でしょう。私も、ここの部分を何度も書いています。  

1、求職者給付

この中にも分かれます。

(1)一般求職者給付(基本手当等)

(2)高年齢求職者給付(高年齢求職者給付金)

(3)短期雇用特例求職者給付(特例一時金)

(4)日雇労働求職者給付(日雇労働求職者給付金)  

 

(1)一般求職者給付(基本手当など)

(Ⅰ)基本手当

一般被保険者が失業した場合に、支給されます。

4週間に1回ハローワークに行って、失業の認定をしてもらいます。  

一般の場合は、離職した日から2年間に雇用保険に入っていた期間が12ヶ月以上必要です。

ただし、倒産、解雇、有期労働契約が更新されなかったなどの理由の人は、離職した日から1年間に、雇用保険に加入していた期間が6ヶ月以上と、緩やかになっています。  

支給日額と日数は、離職する前の賃金や年齢、そしてよく知られているように離職の理由によって違います。   賃金日額の年齢別上限および下限は、年によってかわります(下限は年齢に関係なく、現在は、2,290円です)。

平成28年8月1日現在、30歳未満の上限額は、12,740円、以下、30歳以上45歳未満は14,150円、45歳以上60歳未満は15,550円、60歳以上65歳未満は14,860円となっています。  

基本手当の給付率は、60歳未満は50%から80%、60歳以上65歳未満は45%から80%の間で決められます。  

給付日数に関しては、 (ⅰ)倒産、解雇等による離職者の場合

  1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日  ー
30歳以上35歳未満 90日 90日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 90日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

正当な理由のある退職については、この倒産等の退職者と同じ区分になります。  

 

(ⅱ)一般の離職者

いわゆる自己都合退職は、年齢によって違いはありません。

勤務年数による違いです。1年以上10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日となります。  

それと、現在、暫定措置として、有期労働契約が更新されなかったなどの理由による離職の場合(特定理由離職者)は、本来はこの自己都合と同じ扱いですが、平成29年3月31日まで、上記(ⅰ)の給付(特定受給資格者)と同じになります。  

【注意】

特定理由離職者に関する規定ですが、平成29年3月31日までが期限だった暫定措置となっていましたが、平成34年3月31日まで延長となりました。

なお、今回の暫定措置の延長では、今までの暫定措置の内容が修正がされています。特定理由離職者を特定受給資格者と「みなす」ことで所定給付日数を増やす規定に関しては、対象となる範囲が「本人の意思に反して雇い止めされた者」のみに変わっています。「正当な理由で離職したもの(被保険者期間が1年未満で離職したものの中で)」は除かれました。

 

定年退職の場合、この一般の給付日数が適用されるとなっていますが、自己都合退職にある、いわゆる「3ヶ月失業保険がもらえない」という給付制限の期間はありません。  

 

(ⅲ)就職困難者(障害者など) 45歳未満の場合、1年未満は150日ですが、それ以上の勤務年数の場合、300日となります。

45歳以上65歳未満の場合、1年未満は150日ですが、それ以上の年数の場合、360日となります。  

これらが基本ではありますが、給付日数には「特例」があります。  

(a)訓練延長給付

ハローワークの指示で職業訓練を受講する場合、訓練終了まで所定給付日数を越えて基本手当が支給されます。

(b)広域延長給付

厚生労働大臣が指定した地域において、広域職業紹介によりハローワークが認定する人に対しては所定給付日数を90日超えて基本手当が支給されます。

(c)全国延長給付

全国的に失業の状況が著しく悪化した場合で、基本受給率が4%を超えるような場合に、所定給付日数を90日超えて基本手当が支給されます。

(d)個別延長給付

これは平成29年3月31日までの暫定措置です。一定の年齢、地域を踏まえ、重点的に再就職の支援が必要だとハローワークが認めた場合、所定給付日数(通常は90~330日)に加え、原則として給付日数を60日間を延長して基本手当が支給されます。  

(Ⅱ)技能習得手当

ハローワークの指示した公共職業訓練等を受ける場合に、公共職業訓練等を受ける期間、支給されます。受講手当が40日までで日額500円、通所手当が運賃相当額です。基本手当の給付制限期間は支給されません。

(Ⅲ)寄宿手当

ハローワークの指示した公共職業訓練等を受けるため、生計を維持されている同居の親族と別居して寄宿する場合に、その寄宿した期間について支給されます。月額10,700円。これも、基本手当の給付制限期間は支給されません。

(Ⅳ)傷病手当

離職後ハローワークに行って求職の申込みをした後に、疾病または負傷のために職業に就くことが出来ない場合、基本手当の受給期間内に疾病などのためにこの基本手当を受けることができないと認定された日について支給されます。基本手当日額相当額がでます。  

 

(2)高年齢求職者給付(高年齢求職者給付金)

高年齢継続被保険者が失業した場合で、離職前1年間に雇用保険加入期間6ヶ月以上ある場合に、基本手当の30日分または50日分が一時金として支給されます。  

 

(3)短期雇用特例求職者給付(特例一時金)

短期雇用特例被保険者が失業した場合で、離職前1年間に雇用保険加入期間が6ヶ月以上ある場合に、基本手当日額の30日分(当分の間、40日分)の特例一時金が支給されます。

 

(4)日雇労働求職者給付(日雇労働求職者給付金)

日雇労働被保険者が失業した場合で、失業の日の属する月前2ヶ月において通算して26日以上の印紙保険料が納付されてい場合には、ハローワークにおいて失業認定のうえ、日雇労働求職者給付金が支給されます。  

2,就職促進給付

失業手当を受けていたほうがいいやと再就職をなかなか決めないなどがないように、就職しても基本手当のいくらかが支給されるようになっています。

そうすることで、就職を促進するのですね。就職に対するインセンティブというのでしょうか。 これらもいくつか種類があります。  

 

(1)就業手当

職業に就いた場合であって、所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上を残して就業した場合に、就業日ごとに基本手当日額の30%相当額が支給されます。ただし、次の再就職手当の対象となる就職を除きます。  

(2)再就職手当

安定した職業(1年を超える雇用見込みがある場合など)に就いた場合であって、所定給付日数の3分の1以上の残して再就職した場合に、支給残日数の50%に基本手当日額をかけた金額の一時金が、所定給付日数の3分の2以上の場合は、支給残日数の60%に基本手当日額をかけた金額の一時金が支給されます。50%、60%という給付率は平成29年1月1日以降、アップされる予定です。  

 

(3)就業促進定着手当

基本手当をもらっている人で、早期再就職したのち、6ヶ月「定着」、その会社で働いていたという場合で、以前の離職前賃金から再就職後の賃金が低下した人は、低下した賃金の6ヶ月分が支給されます。以前の時より、たとえ賃金が下がっても職につけないよりは再就職できたほうがいいので、このような手当で再就職を促進する目的となっています。  

 

(4)常用就職支度手当

障害者、45歳以上の再就職援助計画対象者などが安定的な職業に(すなわち、臨時の職ではなく)、再就職した場合であって、支給残日数が所定給付日数の3分の1未満である場合、支給残日数の40%に、基本手当日額をかけた額の一時金(再就職の際の初期費用を支援)が支給されます。

 

ただし、上記の再就職手当が受けられる場合は除きます。平成21年度から暫定的に、安定した職業に就 くことが著しく困 難な40歳未満の者が支給対象に追加され、今も続いています(ただし、平成29年3月31日までの間の暫定措置)。  

 

(5)移転費

ハローワークの紹介した職業に就くために、住所を移転する必要がある場合に、本人とその家族の移転にかかる費用が支給されます。  

(6)広域求職活動費

平成29年1月1日より求職活動支援費に移行となります。ハローワークの紹介により広範囲の地域に渡って求職活動する場合に、交通費と宿泊料が支給されます。  

3,教育訓練給付

雇用保険の加入者もしくは、雇用保険の加入者でなくなってから1年以内の人は、教育訓練費用の一部を給付してもらえます(厚生労働大臣の指定する教育訓練に限る)。

この雇用保険の加入者でなくなってから「1年以内」、ということですが、妊娠、出産、育児などで教育訓練を始めることができない人は、最大4年まで教育訓練を開始することができない日数として加えることができます。  

(1)一般教育訓練に係る教育訓練給付金

雇用保険に加入期間3年以上(初回のみ1年以上)で、訓練開始日よりまえ3年以内に教育訓練給付金を受給したことがない人は、手続きをおこなえば、教育訓練の費用の20%相当額(上限は10万円)の教育訓練給付金が出ます。こちらは対象となる教育訓練は多く、平成28年4月現在、10,000を超える講座があります。  

(2)専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金(中長期的なキャリア形成支援措置)

雇用保険に加入して10年以上(初回のみ2年以上)で、訓練開始日より前10年以内に教育訓練金を受給したことがない人が対象です。

教育訓練に要した費用の40%相当額を6ヶ月毎に支給されます。

一回にすべてではなく、6ヶ月ごとです。受講状況が適切だったかどうかの確認をするために6ヶ月ごとになります(上限年間32万円)。  

訓練終了後1年以内に、資格を取得し、雇用された場合(雇用保険に加入)、または、雇用されている場合には、この教育訓練にかかった費用の20%相当額を追加支給となります(上限年16万円)。

  対象となる訓練は、専門的、実践的と認められる訓練となりまして、講座は指定されています(平成28年8月の時点で2,243講座)。

どれくらいの期間の訓練が対象といいますと、業務独占資格または名称独占資格のうち、養成施設の課程(期間は、1年以上3年以内で、取得に必要な最短期間)、専門学校の職業実践専門課程(2年)、専門職大学院(2年以内、ただし、資格取得につながるものは3年以内で資格取得に必要な最短期間)です。  

平成30年度までの暫定措置として、この専門実践教育訓練を受講する45歳未満の離職者には、基本手当の50%を訓練受講中に2ヶ月毎に支給になります(教育訓練支援給付金)。  

4,雇用継続給付

雇用保険はとかく離職した時のための保険と思われますが、「継続」するための給付もあります。

(1)高年齢雇用継続給付 これには、2つの給付金があります。 給付額は60歳以降の各月の賃金の15%(ただし、賃金と給付金の合計が339,560円を超える場合は超える額を減額) 支給期限は65歳に達するまでの期間 ただし、下の(b)の人は、基本手当の支給残日数200日以上なら2年間、100日以下は1年間のみ  

(a)基本手当を受講しないで雇用継続をしている人に対して支給される「高年齢雇用継続基本給付金」

雇用保険の被保険者だった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の人で、60歳以降の各月の賃金が60才時点の賃金の75%未満となった場合に支給されます。定年後の再雇用制度を利用した場合、このような賃金低下があるからです。  

(b)基本手当を受給したのち再就職した人に対して支給される「高年齢再就職給付金」

基本手当を受給した後に、60歳以降で再就職して、再就職後の各月の賃金が基本手当の賃金日額を30倍した額の75%未満(要は、1ヶ月分もらっていた額の75%未満)となった人のうち、基本手当をもらっていた時の雇用保険加入期間が5年以上あり、再就職した日の前日における基本手当の支給残日数が100日以上あり、安定した職業に就いた場合に支給されます。  

 

(2)育児休業給付

1歳未満の子(1歳に達した日の期間について休業することが雇用継続のために必要と認められる場合は1歳半)を養育するために育児休業したで人あって、育児休業開始前2年間にみなし被保険者期間(賃金支払が11日以上ある月をカウント)が12ヶ月以上ある人が支給対象者となります。 育児休業開始から6ヶ月までは休業開始時の賃金の67%相当額、それ以降は50%相当額が支給されます。  

 

(3)介護休業給付

家族の介護を行うため介護休業をした人で、介護休業開始前2年間にみなし被保険者期間が12ヶ月以上ある人が支給対象者になります。 休業開始時の賃金の67%相当額が支給されます。

念のため 上限額などは、変更になりますので、最新の情報を得るようにしてください。

 

このように、一口に雇用保険と言っても給付はいろいろとあります。雇用が継続出来ない時、雇用の継続のためにも、さらには教育訓練などあるので、範囲は思ったよりも広いものですよね。

それにしても、私は会社を辞めてすぐ海外に行ったのでいわゆる失業保険はもらえず、教育訓練も一時期8割くらいもらえた期間は雇用保険に入っていなかったと、雇用保険を払い続けたのに、ほとんど支給されたことがないのです。

その一方で私と反対に、かなり活用したよ、という方もいらっしゃるだろうなと思いますよ。それは、雇用保険は保険、相互扶助だからなのですね。


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