求人は増加しているのに、求職者の割合が減って

職業紹介安定法に決められていますので、職業紹介事業者は、年度ごとに運営状況についての報告書を厚生労働大臣に提出するようになっています。

厚生労働省のページより引用
平成27年度職業紹介事業報告書の集計結果 |厚生労働省

これをみれば、概要が書いてあるので、ざっと見ることができますが、もう少し詳しいものはダウンロードできるようになっています。

この統計において、

「常用」の定義について、4か月以上の期間を定めて雇用されるもの又は期間の定めなく雇用
されるものをいう。

ということですから、正社員のような長く働く予定の人、ということですね。

さて、この統計をながめていますと、興味深いことがいくつかあります。

特別法人だとか、地方公共団体の職業紹介よりも民間の職業紹介に着目しました。

求職、仕事を求めているほうですね。それが減っているのです。みなさんが仕事を得ているということでしょうか。

新規求職申込件数が約1,344万件 (対前年15.1%減)そのうち、有料職業紹介事業が13,234,899件で、対前年比15.3%減ということですから、減ったのは、有料職業紹介ですね。

それに対して、求人側、会社側が求人を出しているのか、ですが、そちらは増えているのですよ。

求人数(常用求人)が約557万件(対前年度比 8.7%増)ということで、人手不足だからでしょうか。求人数は増えているのです。

仕事を求めて求職している人は減っているのに、求人は増えているという。。。。

民間の職業紹介事業所の数は増加している

さらに読み進めますと、求人倍率ものっていました。年度末求人倍率となりますが、 0.54倍でした。有料と無料の差が大きく、有料職業紹介事業の場合は、0.50倍で、無料職業紹介事業の場合は3.54倍でした。
 

それと最近、職業紹介事業者の数が増えているように感じたのですが、やはり統計をみても増加していました。19,453事業所 で(対前年度比 3.4%増)でした。有料職業紹介の事業所も無料職業紹介の事業所もともに増加です。
  

職業紹介事業者が取る手数料

職業紹介においては、求職者からお金を取ってはいけないということになっていますよね(ごく一部ですが、例外はあります)。お金がある人だけ紹介してもらえる、ということになりますからね。

そのために求人を出す会社側から手数料をいただくことになります。

それについては、厚生労働省のPDFがあります。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/syoukai/dl/06.pdf

受付時の手数料として、求人の申込みを受け付けた場合、1件につき690円を限度として、求人者から受付手数料を徴収することができることになっています。

興味深いことに、統計には、芸能家、家政婦(夫)、配ぜん人、調理士、モデル、マネキンの欄があるのですが、こちらの方々は求職者から手数料を取ることができるんですね。

経過措置としての求職受付手数料として、芸能家、家政婦(夫)、配ぜん人、調理士、モデル又はマネキンの職業に係る求職者から求職の申し込みを受理した場合は、当分の間1件につき690円を限度として、求職者から受付手数料を徴収することができることになっています。

ただし、同一の求職者で求職の申込みが1箇月間に3件を超える場合は、1 箇月につき3件分に相当する額が上限になります。

主な手数料は、上限制手数料と届出制手数料になります。職業紹介事業者はそのどちらかを選びます。

上限制手数料とは、求人者側から取るもので、計算の基となる賃金が支払われた日以降に払います。

細かい規定はいろいろありますが、手数料の最高額が決められていて、主に、支払われた賃金額の100分の10.8になります。同一の会社に引き続き6ヶ月を超えて雇用された場合は、6箇月間の賃金について支払われた賃金額の100分の 10.8です。そのほか、期間の定めのない雇用契約に基づき同一の者に引き続き6箇月を超えて雇用された場合についても、別途定めがあります。

こちらは、画一的に決められた%でもらう、という方法です。

それに対して届出制手数料というものがあります。こちらは、手数料表(複数の場合は合計額で)というものを作り、それに基づいて手数料を取る、という方法です。こちらのほうが多数派のようです。

表さえ作ってそれに基づいて手数料を払えばいいのかというと、そうではなく、「厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を取ることができる」、と決められています。

届け出となっていますが、厚生労働省に出すものですから、それに則ったものでないといけません。あまりに高率ですと受付てもらえません。

職業紹介の場合、求職者からは手数料が取れないのが基本

今回は、ざっくりとみるだけなので、手数料のことについてはこれ以上ふれませんが、とにかく平成27年度の統計についてです。手数料収入としては、前年と比べて増加しているのです。 約3,535億円 (対前年度比 1.4%増)となっています。

内訳をみると、上限制手数料のほうは約45億1千万円 (対前年度比 35.0%減)で、減少が大きいですね。それに対し届出制手数料は約3,470億0千万円 ( 同 2.4%増)となっています。金額の大きさも違いますしね。

そのほか、求職者手数料というものがありますが、これは例外中の例外ですね。

「芸能家」及び「モデル」の職業並びに「経営管理者」、「科学技術者」及び「熟練技能者」の職業について、その求職者より徴収できる。

となっています。

統計など詳しいことを調べてみたい人は、上記の厚生労働省のページでダウンロードしてみてください。

このような統計をざっと見るだけでも、転職市場において参入する職業紹介事業所も増加し、求人も増えていて、活況であることがわかります。それとともに、求職者の割合などを見ますと、人手不足だということも統計から垣間見えるのではないでしょうか。