雇用保険の教育訓練給付は正社員だけの制度ではない

雇用保険には、失業している人だけがお金を受給できるのではありません。現在、雇用されている人、職がある人でも技術を身につけ学習を支援する制度として「教育訓練給付制度」があります。

 

この制度は正社員だけの制度ではなく、一定の被保険者期間があれば短時間労働者や65歳以上の人も受給することができます。厚生労働大臣の指定する講座を修了すると、本人が支払った受講料の一部が払い戻される制度なので、指定講座である必要があります。

 

指定講座は、かなりいろいろな種類がありますから、厚生労働省のホームページから調べることが出来ます。分野、資格名、キーワードなどから調べることができます。

 

教育訓練講座検索システム

http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SSR/SSR101Scr01S/SSR101Scr01SInit.form

 

平成30年1月1日施行の改正雇用保険法の教育訓練給付制度

この教育訓練給付は、資格喪失後1年(妊娠、育児、傷病などの理由がある場合は最長4年まで)は申請可能とされていました。これが今回の改正で最長4年が、最長20年に延長されます。

 

その他、今回の改正では主に、教育訓練給付制度の専門実践教育訓練給付の拡充が注目点といえます。

 

教育訓練給付制度には「一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」があります。

一般教育訓練給付は、今までも知っている人が多い給付金制度だと思います。支給額は受講費用の20%で、上限額が10万円(4,000円を超えない場合は支給なし)となります。

 

専門実践教育訓練給付は、中長期的なキャリア形成を支援するという目的のため、より専門性の高い資格や分野の学習になります。2018年1月からの改正施行後は、受講費用のうち50%(年間上限額40万円)に引き上げられます。

訓練終了後に雇用されていた場合の追加分を加えると70%(年間上限額は56万円)が支給されるようになります。ただし、10年間に受給できる総額としては最大168万円となります。

※追加分とは、追加給付制度のことで、受講修了日の翌日から1年以内に資格を取得し、正社員などで雇用された場合は、追加で受講費用の20%が支給されます。追加分を合わせた支給額は1月からは70%になる、ということです。

 

なお、念のため、現在の状況は受講費用の40%(年間上限額32万円)で、最大3年間です。最大限使う場合は96万円になります(4,000円を超えない場合は支給なし)。

 

専門実践教育訓練は、看護師や介護福祉士など医療福祉系の資格が有名になっているようですが、会計や経営学、臨床心理などの大学院課程やIT関係の資格取得、一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得の課程も入っていました。

ただし、IT関連の資格取得としての訓練時間が120時間以上( ITSS レベル4相当以上のものに限り 30 時間以上)かつ訓練時間が2年以内の課程と書かれていましたので、全部が全部認められている、というわけではないようです。

参考:厚生労働省の専門実践教育訓練の事業者向けページより
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku_senmon.html

 

専門実践教育訓練は、思いついたらぱっと飛びついて、やっぱり辞めたのような考えではなくじっくり自分のキャリア形成を考える必要があるため(受講期間も比較的長いものが多い)受講開始日の1カ月前に、訓練前キャリア・コンサルティングを受け、ジョブカードの交付が必要になります(その他の細かい規定があるので、お住い近くのハローワークに確認してください)。

教育訓練支援給付金も改正に

これに関連して、「教育訓練支援給付金」というものがあります。

字が似ているので紛らわしいのですが、教育訓練支援給付金とは、失業中に専門実践教育訓練を受講している人に対して支給されるものです。

 

この教育訓練支援給付金は暫定措置となっていましたが、3年延長して平成34年3月までとなりました。

給付率は失業給付の50%相当額だったものが、改正後はなんと80%相当額に増額されます。

ただし、資格喪失後に申請できるのは、4年までと、限定されるように改正となります。

 

来年の1月1日から施行ですから、これから新聞報道されてくるものと思われますが、特に、専門実践教育訓練を予定している人は、報道に注意を払っておくなり、ハローワークに前もって確認しておくなりして、注目しておいたほうがいいかと思います。